往年のクライマー(元登攀倶楽部の会員)によるブログです。
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山と当時のひととの出会い (4)
〔錫杖のパンツ〕
高校生の頃だったと思う。錫杖岩一ルンゼに行った。パートナーは当時、大阪の明星高校ワンゲル部員のA君。取り付く。ワンピッチではあったがA1・Ⅴ級のピッチがある。確保テラスは結構大きい。「いくで」と言って攀じる。難所を過ぎた頃、尻廻に圧迫感がないことに気付く。パンツのゴムが切れたのだ。
くっそ! A君を呼ぶ前にパンツを脱ぐ。登攀再開。難なく一ルンゼは完登。下山する。登山道から車道に降りた。すると若い女性が湧き水をポリタンに注いでいる。「こんにちは」山ではあたりまえの挨拶をする。「ところでなにやっとんですか?」彼女曰く「すぐそこで山荘を営んでいて湧き水をくんでいるところ」そばには車。「だったら今日泊めてもらえますか?」 気持ちよく車で山荘へ。風呂から錫杖岩が正面に見える絶好の宿。脱サラしてここにやって来たとのこと。会話のつづきかAくん、「ところでパンツありますか? こいつひょんなことからパンツ履いてないんですよ!」余計なことを!パンツなんて慣れである。なければそれでいい。10分ほどしてその若女将、「よければこれを」と言って持ってきたのが女性もんのパンティ。A君の笑いが止まらん。履いてみる。当時、スリムな我が輩の骨盤にも足らない丈。
それはそうとあの親切な脱サラ山荘。今もあるのだろうか?
〔風下に向かって45度を狙え!!〕
男の山屋さんなら経験があると思います。冬の稜線での小便。風下に向かって放水したつもりが、自分の身体が壁になり、風が舞って顔を含む正面直撃! 直ぐ凍るので問題はないのですが不愉快でもあります。いろいろ試した結果、風下に向かって斜め45度。これがベター。 途中で風向きが変わればゴメン・・・
〔本当にあった怖い話〕
前穂 屏風岩の遭難で思い出しました。
1979年6月、唐沢岳幕岩という壁を登りに行きました。ルートは正面壁静岡ルート。核心部は上部にある4~5メートルほどの庇上のきれいなハングです。
山用語でアブミという二つの四段縄梯子に乗り移り越します。アブミに乗り移ると前に乗っていた後方のアブミを前方のピン(ハーケンやボルトなど)に付け替えてまた乗り移ります。当然のことですがハング下のピンにアブミをかけて乗り移るとベクトルは真下、つまり抜ける方向にかかります。
やっとの思いでハングを越えました。難しいのはここからです。完全にぶら下がった状態から、からだ全体が90度以下の壁に移動するのではありません。胸腹は壁に接していますが腰と足は空中にある状態で庇下のアブミを回収します。極めて不安定な状態です。胸を壁に押し当てアブミにかけた足を外に突っ張るという微妙なバランスで庇下最後のアブミを回収しました。見えません手探りです。
見えないまでもピンからアブミを外して回収したつもりでした。が、なんと何の抵抗もなく回収したアブミは仲良くハーケン(ピン)が一緒でした。ギョエッ!! なんじゃこりゃア。
※ハーケンはリスとよばれる岩の割れ目に打ち込むピン。ボルトはリスがない場合に岩に穴を空けて埋め込むピン。
高校生の頃だったと思う。錫杖岩一ルンゼに行った。パートナーは当時、大阪の明星高校ワンゲル部員のA君。取り付く。ワンピッチではあったがA1・Ⅴ級のピッチがある。確保テラスは結構大きい。「いくで」と言って攀じる。難所を過ぎた頃、尻廻に圧迫感がないことに気付く。パンツのゴムが切れたのだ。
くっそ! A君を呼ぶ前にパンツを脱ぐ。登攀再開。難なく一ルンゼは完登。下山する。登山道から車道に降りた。すると若い女性が湧き水をポリタンに注いでいる。「こんにちは」山ではあたりまえの挨拶をする。「ところでなにやっとんですか?」彼女曰く「すぐそこで山荘を営んでいて湧き水をくんでいるところ」そばには車。「だったら今日泊めてもらえますか?」 気持ちよく車で山荘へ。風呂から錫杖岩が正面に見える絶好の宿。脱サラしてここにやって来たとのこと。会話のつづきかAくん、「ところでパンツありますか? こいつひょんなことからパンツ履いてないんですよ!」余計なことを!パンツなんて慣れである。なければそれでいい。10分ほどしてその若女将、「よければこれを」と言って持ってきたのが女性もんのパンティ。A君の笑いが止まらん。履いてみる。当時、スリムな我が輩の骨盤にも足らない丈。
それはそうとあの親切な脱サラ山荘。今もあるのだろうか?
〔風下に向かって45度を狙え!!〕
男の山屋さんなら経験があると思います。冬の稜線での小便。風下に向かって放水したつもりが、自分の身体が壁になり、風が舞って顔を含む正面直撃! 直ぐ凍るので問題はないのですが不愉快でもあります。いろいろ試した結果、風下に向かって斜め45度。これがベター。 途中で風向きが変わればゴメン・・・
〔本当にあった怖い話〕
前穂 屏風岩の遭難で思い出しました。
1979年6月、唐沢岳幕岩という壁を登りに行きました。ルートは正面壁静岡ルート。核心部は上部にある4~5メートルほどの庇上のきれいなハングです。
山用語でアブミという二つの四段縄梯子に乗り移り越します。アブミに乗り移ると前に乗っていた後方のアブミを前方のピン(ハーケンやボルトなど)に付け替えてまた乗り移ります。当然のことですがハング下のピンにアブミをかけて乗り移るとベクトルは真下、つまり抜ける方向にかかります。
やっとの思いでハングを越えました。難しいのはここからです。完全にぶら下がった状態から、からだ全体が90度以下の壁に移動するのではありません。胸腹は壁に接していますが腰と足は空中にある状態で庇下のアブミを回収します。極めて不安定な状態です。胸を壁に押し当てアブミにかけた足を外に突っ張るという微妙なバランスで庇下最後のアブミを回収しました。見えません手探りです。
見えないまでもピンからアブミを外して回収したつもりでした。が、なんと何の抵抗もなく回収したアブミは仲良くハーケン(ピン)が一緒でした。ギョエッ!! なんじゃこりゃア。
※ハーケンはリスとよばれる岩の割れ目に打ち込むピン。ボルトはリスがない場合に岩に穴を空けて埋め込むピン。
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| 2013-01-04 03:13
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